岩のウチ

岩のウチ

Iwa no uchi

2020年1月 住宅設計Ⅰ「50㎥の家」

3Dプリンター

建築新人戦2020 優秀賞 https://www.kenchiku-shinjinsen.com/

決められた量のコンクリート(50㎥)を使い切ることを条件とした、住宅設計のプロトタイプ的提案である。この設計では、囲い取られる空間だけでなく、壁の厚さや壁の中に意識を向けている。

ある小さな岩を1/50と設定し、これを3Dスキャンする。

1つの直方体で岩の表層をかたどると、塊は空間へと反転し、小さな岩の内に入ることができる。さらに、寸法を与えながら切断し、ずらす。岩と直方体の隙間にできる厚さが平面となって現れ、床や座面、食卓となるだろう。住宅らしき「岩のウチ」である。

型枠にコンクリートを流し込み成形する際におきる「図と地の反転」は、表層のみが存在する3Dスキャンデータを反転する行為と似ているのではないだろうか。